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自費の低身長治療とは

目次

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低身長治療では、保険適用とならず自費診療になる場合が多くあり、高額な治療費の負担がかかるでしょう。

ここでは、低身長治療で自費となるケースや基準、治療費の目安などを解説します。

※記載している費用は、「のびのびNavi」が複数のクリニックを調査して記載をしている目安です。必ずしもすべてのクリニックに当てはまるとは限りませんので、注意をしてください。

低身長治療で自費となるケース

低身長で保険適用の治療を受けられるのは、成長障害やその他の病気が原因で対象疾患と診断された場合のみです。

対象疾患や身長の基準など、治療対象となる診断基準を満たしている必要があります。

「身長を高くしたい」というだけでは治療そのものを受けられず、不必要な治療は避けるべきと考えられているのです。

そのため、自費での低身長治療を受け付けている病院・クリニック自体が全国でも少ない状況です。

この「のびのびNavi」では、自費診療のクリニックも紹介していますので、ぜひ活用してください。

低身長治療で自費となる診断基準

低身長治療で自費になるのは、骨端線の閉鎖を伴わない家族性低身長(SGA)や特発性低身長といわれるケースです。

しかし、骨端線が閉鎖していたり思春期が終わっていたりする場合は、低身長の治療は適用されないことが多いでしょう。

まずは、お子さまの性別や年齢が同じ子どもの標準偏差(SD)を確認します。

お子さまの身長が-2SD以上の場合かつ、家族性低身長と診断されれば自費での治療が可能です。

ただ、-2SD以上で治療適用されないお子さまの場合でも、将来的に身長が伸びないと予測できるケースもあります。

この場合は、食事や睡眠などの生活習慣を整えながら、自費診療で治療を受けることもあるでしょう。

低身長治療は非常に高額な費用がかかるため、採血や負荷試験、レントゲンなどの検査を受けて、成長ホルモンの分泌量をしっかりと調べることが大切です。

その結果をもとに、自費診療で受けられるのか医師と相談して決定しましょう。

お子さまの身長が-2SD以上か以下かを知りたい方は、こちらで10秒チェックが可能です。

ホルモン治療・自費の場合の
内容と治療費

低身長治療を自費診療で受ける場合、治療費の目安は月に7〜40万円程度と差が出てしまいます。

このような費用の差は、成長ホルモン製剤の種類やお子さまの体重、年齢によって投与量が決まるために現れます。

たとえば、日本製成長ホルモンを使用した場合、1本10mgあたり税込7万円の費用です。非常に高額なため、多くのクリニックは海外産のホルモン剤を使っています。

ここに、お子さまの体重と投与量を計算し、費用が決まります。

費用の目安は、以下を参考にしてください。

体重 月額 年間
体重20kg 月14万円〜 年間168万円〜
体重30kg 月21万円〜 年間252万円〜
体重40kg 月28万円〜 年間336万円〜
体重50kg 月35万円〜 年間420万円〜

思春期症状コントロール治療の
内容と費用

思春期が始まると身長の伸びが止まってしまうので、低身長を治療する場合には、思春期を遅らせる薬を使うことがあります。

代表的なものは内服薬のプリモボラン、注射のリュープリンです。

プリモボラン

プリモボラン
引用元HP:バイエル ファーマ ナビ
https://pharma-navi.bayer.jp/primobolan/basic-docs

100錠3万円、1日1回1〜4錠ほど服用します。

肝機能障害やニキビを引き起こす可能性があります。

また、女性の声を低くする可能性があり、これは一時的なものではなく、戻らないため、女性には処方しないクリニックもあります。

女の子の低身長治療において処方するクリニックもありますが、保護者さまが十分に考えて判断した上で使用を決定してあげてください。

リュープリン

プリモボラン
引用元HP:医療情報QLife Pro
https://meds.qlifepro.com/detail/2499407G1054/リュープリン注射用キット1.88mg

4週間に1回注射し、1回5〜7万円が目安です。

これらの思春期コントロール薬は、定期的に採血をしてホルモンや副作用など、体にマイナスな影響が出ていないかを確認しながら慎重に服用する必要があります。

栄養補充(サプリメント)の費用

サプリメントは身長の伸びには関係ないという話も多くありますが、成長期の栄養が不足すると、身長が伸びなくなるので、その補助と考えるのが良いでしょう。

特に亜鉛、ヘム鉄、ビタミンD、アミノ酸が重要。

自分で買って飲めばいいじゃないと思うかもしれませんが、サプリメントを個人の判断で大量摂取することは危険なので、気をつけましょう。

市販のサプリメントではなく、より含有量が高いサプリメントを提供しているクリニックでは、定期的な採血検査で数値に異常が出ていないかなど、経過観察しています。

そのクリニックでは、1ヶ月3万程度の費用がかかります。

動画で知る!
自費の低身長治療の費用

治療の概要については複数のクリニック動画がありましたが、具体的な自費診療の費用に関しての動画は「身長先生」として低身長治療の情報を発信している東京神田整形外科クリニックの田邊雄先生による解説のみでした(※)。

チャンネル「身長先生田邊雄」の登録者数3.1万人(※)は、小児低身長治療の世界では他の追随を許さない数字です。

(※)両方とも2023年9月2日時点。

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