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上の写真の赤い丸部分が骨端線です。
骨の細胞は、古い骨を破壊しながら新しい細胞を作り出す役割を持つ細胞が密集しています。
このサイクルによって、成長期のお子さまの身長が伸びることにつながるのです。
その中でも骨端線は、骨の両端にある隙間であり、身長の伸び代を示しています。
成長期は、新しい骨を作る細胞が活発化しているため、骨端線が伸びることが特徴です。
骨端線が伸びている間は、身長も伸び続けるということが分かるでしょう。
骨端性が確認できる期間は身長は伸びるのですが、年齢が進むにつれて古い骨を破壊する細胞と新しい骨を作る細胞のバランスが均衡します。
そのような均衡状態になると、骨端線がなくなり身長の伸びもストップするという自然現象が起きるのです。
骨端線は、骨の両端にある隙間であり、身長の伸び代を示す器官です。
最終身長を決める要素の一つとして、骨端線にある骨を作り出す細胞の活性化が大きく関係しています。
成長期のお子さまは、骨端線の軟骨部分にある細胞が活発に働き、新しい骨を作って身長が伸びていることが特徴です。
特に、思春期が始まってから最終身長になるまで、身長の伸びるスピードが加速し、平均で25cmの身長の伸びがみられます。
この成長のピークが起きると、軟骨部分にある細胞の増殖スピードが緩やかになり、骨端線の隙間が骨に置き換わっていきます。
骨端線の隙間がなくなり閉鎖してしまうと骨の成長も終わりを迎え、身長の伸びが完全にストップすることになるのです。
骨端線が閉じる的確なサインはありませんが、お子さまが思春期に入り、急激に身長が伸びている時期をピークに徐々に骨端線は閉じると考えておきましょう。
骨端線の軟骨部分にある、骨を作り出す細胞が活性化するためには、成長ホルモンが重要になります。
この成長ホルモンは、思春期のお子さまの体内では盛んに分泌されており、15〜16歳頃を目安にピークを迎えます。
その時期を過ぎると活性が緩やかになり、18歳頃を目安に骨端線が閉鎖するといわれています。
ただし、骨端線の閉鎖には個人差があります。
骨端線の閉鎖が平均的ではないとしても、お子さまの個性であり病気ではないケースがほとんどです。
たとえば、思春期が早く始まったお子さまの場合は、18歳よりも前に骨端線が閉じて最終身長を迎えるでしょう。
一方で、思春期が遅く始まった場合は、その分思春期の終わりも遅くなるため、骨端線は18歳を過ぎても閉鎖していないこともあります。
閉鎖してしまった骨端線は、再度開くことはできません。
しかし、骨端線が閉じるのを遅らせる方法があります。
まずは、思春期早発症という診断がついた場合は、保険適用の範囲で適切な治療を行い、分泌されるホルモンを調整することが可能です。
ただし、診断がつかないお子さまがほとんどで、その場合は生活習慣を見直すことが骨の成長につながると考えられています。
特に、骨の成長に必要な栄養素であるカルシウムやマグネシウム、ビタミンD、亜鉛などが含まれている食べ物を積極的に摂ることは大切です。
また、成長ホルモンが盛んに分泌される睡眠中、ぐっすりと熟睡できるように規則正しい生活を送りましょう。
保護者さまにとって、お子さまの身長が平均的にどの程度なのか、骨端線がどのような状態なのか気になる点でしょう。
自費診療の低身長治療を行うクリニックでは、身長を伸ばすために思春期をコントロールするような薬を成長ホルモンとともに処方しているようなところもあります。
今の骨端線の状態、これから身長が伸びる余地があるのかどうか、一度診察してもらうのが一番です。
YouTubeやInstagramなどで「身長先生」として低身長治療の情報を発信している東京神田整形外科クリニックの田邊雄先生による骨端線の解説。
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