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大学病院の小児科
旭川医科大学は大学病院です。26の専門科が設置されていて、そのひとつが小児科です(2024年1月23日時点)。小児科は、小児科・思春期科と新生児科に分かれています。また、それぞれグループがあり、低身長症は、内分泌・糖尿病グループが担当しています。日本における小児内分泌学領域の創始者の一人である奥野晃正名誉教授、日本小児内分泌学会理事長として世界をリードしてきた故藤枝憲二教授が築き上げたグループです。道北・道東の関連病院とも連携し、専門性の高い診療を行っています。
日本内分泌学会内分泌代謝科認定教育施設・日本糖尿病学会認定教育施設として、専門医研修施設に認定されています。専門医を育成すると同時に小児分野の研究も活発です。小児科内の内分泌・糖尿病グループで独自研究している内容は、新生児糖尿病の分子基盤解明と診断・治療戦略の構築や先天性内分泌代謝疾患の分子遺伝学的原因の解明など多数です。また他の施設との共同研究では、注入時の刺激低減を目的とした成長ホルモン製剤の新処方液剤が低身長児の服薬アドヒアランスに及ぼす影響に関する探索的検討などを手掛けています。
大学病院のため、病院自体は26科もある大病院です。小児科も、感染・免疫・腎臓グループ、神経グループなど、専門分野でグループを組織して研究・診療にあたっています。低身長は、内分泌・糖尿病グループが担当しています。低身長症の他にも性分化異常症、思春期発来異常、副腎疾患、甲状腺疾患など内分泌疾患や糖尿病、代謝疾患なども担当しています。道北・道東の関連病院の小児内分泌専門外来とも相互協力体制を構築し、専門的な視点で診察・検査・治療をおこなっています。治療にあたっては、成長の経過を確認することが重要です。母子手帳や出生からの発育記録も参照しながら、適切な治療方法を判断します。
ホルモンの不足や過剰によって、成長障害や思春期の異常、不活発や倦怠感等を引き起こすことがあります。このケースの低身長には、ホルモンを補充する治療が一般的におこなわれます。ホルモンは繊細な内分泌成分のため、きめ細かな治療が重要ですので、発育段階に応じたきめ細かなホルモン補充療法をおこないます。また、思春期が早すぎることが原因でも低身長は起こりますので、その場合は抑制療法を取り入れます。小児の症状は、先天的・遺伝子性疾患の割合も少なくありません。必要に応じて遺伝子診断にも対応しています。
低身長治療のメニューは公式サイトに記載がありませんでした。適切な診断を行い、健康な発育、生活ができるよう、発育段階に応じたきめ細かなホルモン補充療法を行います。症状によっては、ホルモン抑制療法を取り入れています。治療方法の判断には、検査の他、成長記録が重要です。母子手帳や出生からの発育記録も参照した上で、治療方法を決めます。
髙橋 悟 教授
旭川医科大学小児科学講座の第5代教授です。感染・免疫・腎臓、循環器、血液・腫瘍、内分泌・糖尿病、新生児、神経の6つの専門グループに分かれて診療していますが、各グループ間では連携し、子供のすべての疾患に対し、総合的に対応できるチームを構成しています。地域の周産期医療と小児医療を守ることを最優先課題として、治療法が未確立な困難に遭遇している子供のための研究にも力をいれています。研究は診療レベルの維持にもつながるとの考えから、世界的な視野を持ち、未解決の問題へ挑戦を続けている教授です。