目次
低身長治療は、成長ホルモンや性ホルモンの分泌が盛んな時期である思春期を分岐点として考えることが基本です。
ここでは、低身長治療がいつまで受けられるのか詳しく解説していきます。
低身長治療は、できるだけ早い年齢からスタートさせた方が高い効果を得られると論文などでも証明されています(※)。
その目安となるのが、成長ホルモンや性ホルモンの分泌が盛んになる思春期の15歳を最終目安としていることが基本です。
その理由として、骨端線が閉鎖したり骨代謝が大人の値になったりした場合、それ以上身長を伸ばすことが難しい点が挙げられます。
完全に大人の骨になってしまうと、成長ホルモンを補充しても骨を伸ばす効果は得られません。
そのため、治療開始に適した年齢は、骨端線が閉鎖してしまう15〜16歳頃までが目安とされているのです。
(※)論文を基にした低身長治療における治療開始時期の解説はこちらでも詳しく掲載されています。(東京神田整形外科クリニックの「身長先生」こと田邊雄先生による解説)
低身長治療は、主に成長ホルモン補充療法と併せて、食事の栄養指導や生活習慣の改善を行います。
また、思春期が早い場合は身長の伸びも早く終わる可能性があるため、思春期を遅らせる治療を取り入れることもあります。(※声が低くなるなどの副作用があるため、女子には用いない病院がほとんどです)
このような治療を行いながら、定期的に採血やレントゲンの検査を実施し、最終の目標としている身長を迎えるまで、経過を見ていくことが一般的です。
治療期間には個人差はありますが平均で1~3年を必要とし、通院自体は18歳頃を最終目安にしているクリニックが多いようでした。(「のびのびNavi」調べ)
ただし、18歳よりも早く骨端線の閉鎖がみられたり、お子さまが希望する身長に向かって順調に伸びていたりした場合は、早めに治療を終了することもあるでしょう。
このように、18歳を通院終了の目安として、定期的に身長の伸び方を見ていくことが大切になります。
思春期は、平均11歳6ヶ月頃になると始まるとされており、身長の伸びるスピードが加速する時期になります。
思春期が始まってから最終身長になるまで、平均で25cmの身長の伸びがみられることが思春期の特徴です。
急激に伸びていく身長ですが、思春期が終わり高校生になる頃には、骨端線が閉鎖することもあり、身長が伸びなくなります。
ただ、思春期のスタートが遅いお子さまの場合は、その分思春期の終わりも遅くなるので、最終身長は高くなる傾向があります。
このように、お子さまが思春期に入っているかどうかで、治療の効果が変わる可能性があるため、気になる場合はできるだけ早めに受診することが大切です。
以下に、男女の思春期サインをご紹介します。
ご自身のお子さまが今の時点で、思春期が始まっているという親御さんは、まずは早めに病院に受診しましょう。
治療をするかどうかはおいておいても、最終的にどのくらいの身長になるのかを血液検査やレントゲンで調べてもらい、その後に治療すべきかどうかを考えるのがいいでしょう。
注意したいのが、「極端な低身長ではないけど、もっと伸ばしてあげたい」「スポーツのために、一層身長を伸ばしたい」というような場合。こういうお子さまの場合、保険による低身長治療しか行っていない病院では検査すらしてもらえません。
最初から自費診療の低身長治療を行っているクリニックに行って、血液検査やレントゲンで調べてもらうのがいいでしょう。
この「のびのびNavi」では、自費診療のクリニックも紹介していますので、ぜひ活用してください。