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お子さまの身長の高さは、両親の身長の高さに類似することが多く、遺伝の要素が大きいといわれています。
最終身長に関しても、最も影響が大きいのは両親の身長で、関連係数が0.66という高値を示すことが分かっており、7割以上を遺伝的要因によるとされているのです。
お子さまの身長と両親の身長が大きく関連していることを表す、予測身長を出す計算式があります。
このような計算式で予測身長を算出することは可能ですが、身長の伸びというのはさまざまな要因が絡んでいます。
そのため、遺伝的な要素だけがお子さまの身長に影響しているとは断定できず、予測身長に正確性はありません。
ただ、両親を含めて家族全員の体格が小さく、他の病気の疑いがない低身長のお子さまは、遺伝的なものと判断できる場合が多いでしょう。
実際に、低身長で悩むお子さまのほとんどは遺伝的要素が強く、そのことを家族性低身長といいます。
しかし、両親が低身長であっても、極端に小さい体格で成長曲線から大きく外れている場合は、家族性低身長ではない可能性があるでしょう。
その場合は、遺伝の要素ではなく他の病気を疑い、必要な検査を受ける必要があります。
身長を伸ばすためには、遺伝以外にもさまざまな要素が重なっています。
身長が伸びるということは、骨が成長するということにつながるでしょう。
そこで、骨の成長を促される要素があることで、遺伝的に低身長になる可能性が高いお子さまでも身長が伸びるケースも多々あります。
お子さまの骨の成長には、規則正しい生活習慣や適度な運動で身体を活性化させることが挙げられます。
その中でも特に重要になるのは、質の良い睡眠をとることや骨の成長に必要な栄養素を摂ることです。
両親ともに身長が低い場合でも、お子さまの生活習慣によっては身長が高くなる場合もあります。
また、両親のどちらか一方だけが身長が低い場合は、お子さまはより身長が高くなる可能性があると考えられます。
つまり、お子さまが規則正しく健康的な生活習慣を送ることができれば、身長を伸ばすことも可能になるでしょう。
お子さまの成長を促すために大切な要素は、しっかりと睡眠時間を確保する生活を送り、質の良い睡眠をとることです。
ただし、長い時間眠れることが良いわけではありません。
それぞれの年齢に合わせて、以下のように適切な睡眠時間があります。
必要な睡眠時間を確保しながら、質の良い睡眠をとることが大切です。
また、成長ホルモンの分泌は、睡眠中に盛んになります。
特に、眠りについた後の最初の深い眠りのときが最も盛んに分泌される(※)ため、深い眠りに入れること大切といえます。
睡眠中は、深い眠りと浅い眠りが一定のサイクルで交互に現れ、深い眠りに入るためには、日中の活動が重要です。
まずは朝日を浴びて、日中はしっかりと身体を動かして活動しましょう。
朝日を浴びてから14〜16時間後にはメラトニンという眠りのホルモンが分泌されるため、その時間に合わせて眠りに入ることが大切です。
ただ、メラトニンは明るい部屋で過ごすと分泌できないため、眠る前は部屋を暗めにしておくことで、しっかりとメラトニンが分泌されます。
その結果、入眠しやすくなり、睡眠の質も向上するでしょう。
お子さまの年齢に合わせて、寝る前のルーティンを見直してみることもおすすめです。
たとえば、スマートフォンやタブレットから発光しているブルーライトは、入眠を妨げる可能性があるため、寝る前の使用は控えるようにしましょう。
このようにお子さまが質の良い睡眠がとれるように、親御さんはサポートしてあげてください。
身長を伸ばすためには、身体の成長に必要な栄養素を摂ることが大切です。
特に、思春期が終わるまでの成長期において、食事は重要な要素になります。
身長を伸ばすために必要な栄養素として、主に以下の栄養素が挙げられます。
カルシウムは、骨や歯の主成分として身長を伸ばすためには必須の栄養素です。
成長期は骨量が増加するので、カルシウムを十分に摂る必要があります。
カルシウムが多く含まれている食べ物は、牛乳やチーズ、豆腐、干しエビ、ごま、ひじき、きな粉、ヨーグルトなどです。
多くの食べ物にカルシウムが含まれているので、緑黄色野菜をバランス良く食べるようにしましょう。
また、ビタミン類の中でも特にビタミンDとビタミンKが骨の成長に欠かせない栄養素です。
ビタミンDは日光に当たることで体内に生成されるため、積極的に外遊びをすると良いでしょう。
カルシウムと一緒に摂取すると、カルシウムの吸収をサポートしてくれます。
ビタミンDが多く含まれている食べ物は、魚介類や卵、きのこ類です。
ビタミンKは丈夫な骨を作る役割をしています。
ビタミンKが多く含まれている食べ物は、モロヘイヤや納豆、小松菜、ブロッコリー、わかめなどです。
アルギニンやシトルリンは、体内のエネルギー産生を促すために必要な栄養素です。
主に、脳下垂体を刺激してくれるため、成長ホルモンの分泌が促されます。
これらが多く含まれている食べ物は、うなぎやにんにくなどです。
このような栄養素の他に、お子さまの成長に欠かせないのはタンパク質です。
特に、身長を伸ばす効果が期待できる食べ物は卵や牛乳であり、卵を食べない人よりも約5%身長を優位に伸ばせるといった結果が出ています。
家族性低身長は病気ではなく、遺伝的な要素が強いお子さまの個性になります。
他に病気がなければ、規則正しい生活を送ることで、身体が成長し身長を伸ばせるでしょう。
特に、質の良い睡眠と骨を作る栄養素をしっかりと摂ることが大切です。
ただ、家族性低身長であるのか他の病気がないのか心配される場合は、一度専門の病院に相談してみましょう。
保険診療でなくても、子どもの身長を伸ばしたいという場合は自費診療という選択肢があります。全国でも自費の低身長治療を行っているクリニックはけして多くはありませんので、ぜひ以下から探してください。