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小児専門の保健医療施設
小児保健医療施設です。保健と医療を2本の大きな柱としており、病院機能だけではなく、保健にも大きなウエイトを置いています。日本小児内分泌学会認定施設でもあり、低身長等の治療にも対応。子ども本人と家族に寄り添った治療を提供しています。
日本小児内分泌学会から性分化疾患(DSD)診療の中核施設に認定されているクリニックです。本邦のDSD診療の拠点となり、すべてのDSDに対して診断と治療が可能な施設が中核施設として認定されており、東海地区では2施設のみとなっています。あいち小児保健医療総合センターでは、内分泌代謝科、泌尿器科、心療科、臨床心理士、看護師、ソーシャルワーカーなど、科や職種を超え、DSD診療チームを組み、適宜情報を共有しながら治療にあたっています。迅速かつ長期的な集学的治療とフォローを大切に考えているクリニックです。
日本内分泌学会認定の指導医が2人常勤で勤務しています。日本内分泌学会教育認定施設として、指導的立場の医師が直接診療していることが大きな特徴。エビデンスと経験に基づき診療を行っています。内分泌代謝科専門医の取得も可能な施設です。新生児マススクリーニングの対象となる内分泌疾患の精密検査、要再検査対象となる児に迅速に対応。県のマススクリーニング実施施設からの連絡があれば、即日に検査や治療対応ができる体制を整えています。
目覚ましい進歩をとげている1型糖尿病に対する医療機器ですが、あいち小児保健医療総合センターでは、最新の新のインスリンポンプや、SAP療法、持続血糖モニタリング(CGM)、フラッシュグルコースモニタリングシステムなどを導入。SAP療法で行う特殊医療機器を使用した最新の治療を受けられます。SAP療法は、パーソナルCGM機能を搭載したインスリンポンプ療法です。インスリンポンプとともにCGMを装着しCGMの値をインスリンポンプに経時的な形で常に表示することができます。
思春期が早すぎる場合に起こる低身長には、性腺抑制療法として、性ホルモンの分泌を抑制する薬を4週ごとに皮下注射する治療を行います。思春期早発は、二次性徴が早く来ることで、身長が早く伸びはじめ、早く止まってしまい、最終的に低身長になる傾向があります。治療で二次性徴が進むことを止めることは可能です。しかし、身長を高くすることを目的として性ホルモンの分泌を抑制しても、必ずしも身長が高くなるとは限りません。効果を得られる可能性が高いのか、よく検討して治療するかを決める必要があります。何を目的に治療を行うのかなど、話しをじっくり聞いて、希望に沿った治療をする方針です。
思春期早発とは逆に、思春期遅発の場合も低身長になる可能性があります。体質の問題で、多くの場合は病気ではありません。しかし、性腺機能低下による低身長の場合は、治療が必要となります。体質性か性腺機能低下症かの判断は難しいため、専門医による慎重な判断が必要です。性腺機能低下症の場合は、性ホルモンや性腺を刺激するホルモン補充療法を行います。内服薬、貼付薬、注射薬などを、病態や希望に応じて選択する治療方針です。
伊藤 浩明センター長
医師の経歴に関する情報は見つかりませんでした。あいち小児保健医療総合センターは、2001年に開院した施設です。2016年に救急棟と周産期部門設置により、高度急性期医療を軸とする小児病院に大きく変化してきました。名古屋大学の連携大学院「総合小児医療学講座」に指定され、臨床研究が活発になっています。